はじめに
サンショウウオについては,中学校理科の教科書に,両棲類に分類される動物例として,カエルと共に挙げられている。しかし,サンショウウオは,カエルの様に身近にいる動物ではなく,名前や形はあまり知られておらず,実物を見た人は極めて少ない生物である。
サンショウウオは,深山の渓谷や山麓の人の手が加わっていない自然の場所にしか生息しておらず,数も少なく,多くの種類が絶滅危惧種という,珍しい動物である。
さいわいにも徳島県は,豊かな自然に恵まれ,サンショウウオが4種類も生息しているので,多くの方々に,サンショウウオについて,もっと知って貰いたいと願っていました。此の度,NPO法人のご協力を頂く事が出来,県内での生態調査の結果のホームページを作成する事ができました。
サンショウウオとは
サンショウウオは「カエル」と同じ仲間の両棲類。幼生時代はオタマジャクシと同じで, 水中で生活,えら呼吸である。
サンショウウオは有尾類,カエルは無尾類。変態すれば,陸上中心の生活に。エラが消え,肺呼吸,皮膚呼吸となる。ハコネサンショウウオだけは,成体になっても終生鰓呼吸と皮膚呼吸である。サンショウウオは長い尾があり両棲類,有尾類。カエルは両棲類,無尾類に分類される。
体の特徴は,サンショウウオとカエルは,よく似ている。サンショウウオは細長く,カエルとは違うが,その他は,手足,指の数,大きい目,皮膚がいつも湿ってヌルヌルしている点など似ている面が多い。
生きた化石ともいわれ,生息場所も個体数も少なく,絶滅危惧種や,それに準ずる希少な,珍しい動物である。
新着情報
「ツルギサンショウウオ(コガタブチサンショウウオ)の産卵・孵化・変態」の記事を追加NEW!
令和5年6月10日の調査で見付けたツルギサンショウウオの卵を家庭で飼育観察し、発生、孵化、変態、生長の様子を調べて来ました。その結果を報告します。
「ツルギサンショウウオ(コガタブチサンショウウオ)の産卵場所」の記事を追加
令和5年6月10日に三好市東祖谷山の深山で調査を実施し、ツルギサンショウウオの産卵場所を発見する事が出来ました。その結果を報告します。
「ツルギサンショウウオ(コガタブチサンショウウオ)を探して」の記事を追加
産卵現場の確認が出来ていないため、ツルギサンショウウオの産卵には疑問が残っていた。令和4年、待ちに待った卵調査の時期、高知市の動物園(わんぱーくこうちアニマルランド)前園長の渡部孝氏、学芸員の吉川貴臣氏の2人の協力を頂き、徳善氏と私の長男との5人で、剣山の生息地で、5月28日と6月18日の2回産卵場所探しを実施した。その結果を報告します。
「シコクハコネサンショウウオの変態について」の記事を追加
これまでの課題であった変態についての確かな証拠を掴むため、現地渓谷で、年間を通して幼生を採集し、生長や特徴を調べていくと変態について判ってくるに違いないと考え渓谷での幼生の生長測定、身体変化の継続観察に取り組みました。その結果をレポートにまとめました。
「徳島に生息するサンショウウオの歴史」の記事を追加
徳島に生息するサンショウウオが四国の自然に棲む様になったのはいつ頃だろうか。何処から来たのだろうか。どのようにして生息地を見つけたのだろうか。そのルーツを生息環境や生態、地学、地質時代等から推論してみます。
「イシヅチサンショウウオ親になるまで」の記事を追加
イシヅチサンショウウオ親になるまでについて紹介します。
「コガタブチサンショウウオの一生」の記事を追加
特集記事「サンショウウオの一生」の記事シリーズの締めくくりとして、コガタブチサンショウウオの一生について紹介します。
「カスミサンショウウオの一生」の記事を追加
今回は、カスミサンショウウオの一生について紹介します。
「シコハコネサンショウウオの一生」の記事を追加
シコクハコネサンショウウオの一生について紹介します。
サンショウウオの一生
四国に人が定住する様になる数100万年前から,四国の母体で生息してきたサンショウウオ。現在,四国山地や讃岐山脈の麓に生息している4種類のサンショウウオの一生はどのようなものか。生態調査を参考に考察したい。まずイシヅチサンショウウオ一生を見ていきたい。
サンショウウオの鼻
サンショウウオを見た時,突出した黒く大きな眼に驚き,口や鼻には全く気づかない。そこで,徳島県内に生息する4種類のサンショウウオの成体と幼生の口や鼻の形態を調べてみた。同時に幼生は,エラの形も観察し,特徴を調べてみた。その結果について報告します。
幼生の形態と成長グラフ
四国徳島に生息する4種類のサンショウウオの幼生の違いについて知りたくなり,孵化した時の幼生の形態調査や,変態,成体と生長していく様子の生長グラフを作り、それぞれの種類による特色を調べてみました。その過程と結果を報告します。
郷土のサンショウウオを調べて
郷土、市場町で細々と生息するカスミサンショウウオ。カスミサンショウウオの保護について考えていただくことを願い、発見場所や当時の様子、現在の状況をレポートにしました。
イシヅチサンショウウオの発生
5月23日,剣山系の渓谷で見つかったイシヅチサンショウウオの卵を,家庭で飼育し,どのように変化していくのか観察した結果を掲載しました。
イシヅチサンショウウオの産卵
イシヅチサンショウウオの産卵について驚きの発見があったので,その調査結果を掲載しました。
サンショウウオのほほえましい生態
サンショウウオの種族愛や親子愛がある事を実感した観測記録を掲載しました。
コガタブチサンショウウオを探して
平成26年6月2日,梅雨入りの前日,教え子2人と一緒に行なった「ごろう谷」調査の様子を掲載しました。
~美しい幼生~コガタブチサンショウウオの誕生
やっと見つかったコガタブチサンショウウオの卵。飼育の様子を掲載しました。
サンショウウオの寿命を考える
飼育を始めてから、今年で27歳になるカスミサンショウウオの履歴等を掲載しました。
コガタブチサンショウウオを追って
コガタブチサンショウオの思い出、35年ぶりの出会い、卵のうの発見について掲載しました。
イシヅチサンショウウオ幼生の生長と変態
イシヅチサンショウウオの幼生と卵を1年間余り家庭で飼育し観察に取り組んできた結果を報告します。
ハコネサンショウウオの卵発見、徳島では初めて
四国地方でのハコネサンショウウオの産卵場所と卵の発見は、 昭和12年、1937年に広島大学教授の佐藤井岐雄博士が 石鎚山で発見したのが最初であり、それ以来である。